8月のお話会「ミニ講座 子どもの『内側の進路』を考える」

勉強会・会議・訪問など

フリースペース「コスモ」 不登校についてのミニ講座

「ミモザの花~子どもの不登校を考える会」8月のお話会は、ミニ講座を行いました。

講師 : フリースペース「コスモ」/フリースクールコスモ高等部   藤井 智さん

参加者は14名でした。

フリースペース「コスモ」https://www.npobunka.net/fs-cosmo/

コスモさんには、以前訪問させていただきました。詳細については過去記事をご覧ください。

前半1時間ほど、藤井さんからお話しいただきました。

フリースペース「コスモ」/フリースクールコスモ高等部について 

・自立を目指す教育NPO法人。

・小学生の不登校〜青年期まで幅広く対応(制度上は49歳まで)。

・フリースクール事業、通信制高校サポート校事業、地域若者サポートステーション事業。

・若者が働く場も提供している (パン屋さん、DTPラボ、農場など。)

中学卒業後の進路について解説

・チャレンジスクール、定時制高校、通信制高校、通信制高校サポート校(学習等支援施設)、全日制高校、高卒認定それぞれについて解説していただきました。

若者には「自分はどう生きるか」について考える時間が必要

OECD諸国(日本・韓国を除く)では、高校卒業すぐに大学進学や就職はしないそうです。大学入学の平均年齢は22歳ごろ。

「どう生きるか」考えて、卒業後の何年かを過ごすのが一般的なのだそうです。

日本にいると、「○歳になったらこれをしなければならない」という縛りが強く、日本の中にいるとこの窮屈さが普通のことだと思ってしまいがちです。

不登校の問題も、学歴社会に端を発しているといつも感じます。

おそらく、今不登校に悩んでいる子どもも、海外に行ったら何の問題もなく過ごせるのではないかと思うことは多々あります。

高校や大学は「外側の進路」

自分の内面に向けて「内側の進路」を考えることが大切というお話。

子どもは自分が思っていることを、周囲の人に聞いてもらえていない

子どもが成長してくると、保護者も「あまりしつこく聞かない方がいいかな」と遠慮する面もあるので、小さいころのようになんでも話してくれるわけではないでしょう。

でも、保護者が自分に関心を持っているかどうかは、年齢が上がっても感じるものだと思います。

なんとなくうまくやっているんだろう、と思って放っておくことが、子どもの孤独感を深める結果になっているのかもしれないと思いました。

一方で、実は大人も孤独なのかも、とも思います。

仕事で大変なことや、いろいろな人間関係で苦しんでいることなどは、案外人には話せないものです。

家族で暮らしているのに、一人一人が孤独になってしまうのは、悲しいことだなと思います。

「自立は権利」自分の意思で自由に生きるということの重要性

それぞれに、コスモの子どもや若者たちの具体的な例を挙げて、丁寧にお話いただきました。

ある男の子が職業トレーニングに参加して「社会ではやっていけないと思っていた自分を、受け入れてくれる場があることに気づけた」と言っていた、という話が個人的にはとても印象に残りました。

「自分なんかダメだ」と、思っている子どもたちに、そう思える場所があると思うと、とても救われます。

社会全体がもう少し優しければ、自分を否定しないで済むのにな、と思います。

中小企業と一緒に、若者を受け入れる職場作りにも取り組んでいるとのことで少しずつ、そういう動きが広がっていくといいな、と思います。

後半は懇談会 「スマホ」「YouTube」問題や保護者のできることについて

・「おすすめ」ばかりを見るようになって世界が狭くなる。

・反対に、オンラインのゲーム仲間から刺激を受けて動きだすことも。スマホ・YouTubeには、その両方の可能性があります。

・ネットが外の世界に出るきっかけになることもある。

ネット上の友達 我が家の場合

我が家の場合、特に次男は小5からつい最近まで、ほとんど家から出なかったのでいわゆる「リア友」はいませんでした。

でも、ネット上の友達とはよく連絡を取り合って、たまにオフ会に出かけていったりと、外出のきっかけにもなりました。

確かに若干興味の偏りはあるけど、親が知らないようなこともたくさん知ってて、個人的にはネットってすごいなあ、と思っています。

大切なのはやっぱり親子のコミュニケーション

たぶん、ここで大切なのは、子どもの興味を持っている世界のことを親がある程度知っているかどうかというところなのかもしれません。

興味が限られていても、家族と話をする中で、その世界だけがすべてじゃないことが子どもにも伝わるのではないかと思います。

我が家は長男・次男ともに不登校で、家で私と3人でいることが多かったので、3人でよくおしゃべりする機会がありました。

もちろん、子どもたちのすべてを知っているわけではないのですが、やはりある程度、コミュニケーションが取れていることは大切なのではないかと思います。

悩んでいる子どもに対して、保護者は外の世界への「窓」になれるとよい

フリースクールに行けている子は、不登校の中の2~3パーセントしかいない、という話があり、私も本当に困っているのは「外に出られない人たち」だと思っています。

実際、うちの子どもたちもまったく家から出ない時期があり、子どもたちはもちろん私自身も孤独感がありました。

それでも、大人はまだ外出する自由があります。家から出られない不自由さは、本当につらいものだと思います。

家から出ない子の「窓」になるのは、やっぱり家族なのだと、改めて思いました。

発達障害について、自分の「トリセツ」を作れるとよい

最近は、少し適応できないと「発達障害」とレッテル貼りをされてしまいがち。

適応できないことに悩むより、子どもに合った環境で過ごすことが大切だと思います。我が家もASDとグレーゾーンですが、「障害」とはあまり思っていません。

個人的には、ある意味「性格」の一つなんじゃないかと思っています。本人の性格や特性に合った環境にいられれば、苦しさは軽減できると思います。

「こうじゃなきゃいけない」と、思うから、苦しさが増していくのだと思っています。

人数が多く、あまりお話できなかった方もいて申し訳ないところもありましたが

終了後のアンケートを拝見してそれぞれに感じていただいたこともあったのかな、

という印象を持ちました。

通常のお話会と合わせ、また、こういったミニ講座を開催していければ、と思います。

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