不登校の子の都立高校受験~チャレンジスクール・昼夜間定時制高校・エンカレッジスクール・通信制高校

不登校全般

不登校の子どもの高校受験(東京都の場合)

不登校で東京都の公立高校を受験するには

中学不登校の場合、出席と成績の関係で「内申点」がつかないケースがほとんどです。

出席日数が足りない、試験を受けられなくて成績がオール1または斜線だったりすると、内申点がつきません。

ただ、東京都には内申点がほとんどなくても受験できる公立高校があります。

それが、次の4つの高校です。

・チャレンジスクール

・昼夜間定時制高校

・エンカレッジスクール

・通信制高校

※東京都以外の場合は「「令和○年度○○県立高等学校入学者選抜実施要項」で検索してみてください。

チャレンジスクール・昼夜間定時制高校・エンカレッジスクール・通信制高校とは

それぞれにそれぞれについて簡単に説明しましょう。

チャレンジスクール

中学では実力がうまく発揮できなかったものの、高校からはがんばる、という子を応援するための学校です。

もともとは、中学不登校の子のためにできた学校ですが、学力試験がないため、最近は学力不振の子が受験するケースも増えてきました。

そのせいで、倍率が上がる場合もあるようです。

昼夜間定時制高校

昼夜間定時制高校も、実質不登校の子に対応してくれる学校です。新宿山吹高校は4部制ですが、それ以外の定時制高校は3部制です。

1部は朝から、2部は午前10時ごろから、3部は夕方5時ごろからはじまります。

以前はいわゆる「不良」とか、勤労学生が通うイメージだったかもしれませんが、今はそのようなことはなく、学校の雰囲気は全日制高校となんら変わりません。異年齢の人がいることはあるそうですが、逆にそれが刺激になる子もいるようです。

エンカレッジスクール

家庭の事情やいじめなどによって、中学で十分に学習が進められなかった子のための学校です。教員の配置が充実している・学習指導が細やかなど、チャレンジスクールよりもさらに手厚いイメージです。

通信制高校

毎日学校に通う必要はなく、家で学習するスタイルです。家でレポートを仕上げて提出し、スクーリングと呼ばれる登校日のみ出席します。スクーリングの頻度は基本的に週1回。学期末などに単位認定試験を受けて、単位を修得します。

いずれの学校も単位制で、無理せず4年での卒業を目指します(最大6年まで在籍することが可能です)。

詳しくは下記を参照してください。

↓↓↓

これまで設置してきた多様なタイプの学校(東京都教育委員会)

これまで設置してきた多様なタイプの学校|東京都教育委員会ホームページ
東京都教育委員会のホームページ。事業内容、入試、都立学校、教職員採用、教員免許、生涯学習などの情報をお伝えします。

それぞれの高校の入学試験の内容について

チャレンジスクールとエンカレッジスクールは作文と面接のみ

チャレンジスクールとエンカレッジスクールの試験内容は、作文と面接のみです。

ただ、チャレンジスクールの場合は出願の際に「志願申告書」を提出します。なぜ、この学校を選んだのか、学校のどういった特徴に惹かれたのか、高校に入ってからやってみたいこと、などを書きます。チャレンジスクールを受験する際には、志願申告書については十分に準備した方がよいでしょう。

エンカレッジスクールの場合は、志願申告書はなく学校からの調査書のみ必要です。

昼夜間定時制高校と通信制高校は国語・数学・英語の学力検査

昼夜間定時制高校と通信制高校は、国語・数学・英語3科目の学力検査があります。学力にあまり自信がなくても、定員に空きがあれば可能性は十分にあるといえそうです。

その他、専門学科を受ける場合などは、別途作文や実技の試験が課される場合もあります。

詳しくは、下記をご参考ください。

↓↓↓

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/exam/files/pamphlet2022_parttime/00_2022.pdf

都立高校の受験スケジュール

願書提出・受験・合格発表・二次募集

大きな流れとしては、

・2月初めに必要書類をそろえて願書を提出。

・2月下旬に受験

・3月初めに合格発表

となります。

2月の始めに願書を提出すると、倍率が公開されます。

倍率を見て、別の高校(倍率の低い高校など)へ願書を提出し直すことも可能です。

もし、不合格になった場合は、定員に満たなかった学校が行う二次募集を受験することができます。

3月下旬に出願→出願の5日後ごろに試験→試験翌日に合格発表 となります。

ちなみに、令和5年度の日程は以下のようになっています。

令和5年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2022/release20220922_01.html

作文や面接の練習はしておいた方がよい

落ちる可能性もあるため、ある程度の準備は必要

特に、チャレンジスクールに関しては、落ちる可能性もあるため、作文と面接の準備はしておいた方がいいといえます。

実際、うちの長男は、チャレンジスクール落ちました。。。

ただ、倍率が低く、募集定員に達していない場合は、必要以上に心配しなくてもよさそうです。基本的には、落とすことを目的にした試験ではないからです。

もちろん、がんばれるならがんばった方がいいのですが、保護者がはっぱをかけすぎたり、本人が思い詰めるような状況は避けたいものです。

どうしても難しい場合は、私立の通信制高校という手もあります。また、気力が出てきたら次の年に再チャレンジしてもいいのです。

元気がない状況で、あまり無理をさせない方がよいのではないかと個人的には思います。

チャレンジスクール・昼夜間定時制高校の3部はねらい目

不登校の子はまじめなので、多くの場合チャレンジスクールや昼夜間定時制高校を受験するとき、朝から通学する1部を希望します。そのため、1部は倍率が高い傾向にあります。夕方から夜にかけて通う3部は比較的希望者が少ないので、倍率は低めといえます。

体質的に、朝、起きられないことで学校に行けなくなる可能性はまだまだ残っているものです。くれぐれも無理のない範囲で、学校選び・学部選びができるとよいと思います。

試験当日行けないケースも考えておく

試験日に行けない子は案外多い

保護者としては「ええーっ」と思うかもしれませんが、試験の日になっても、どうしても行けないという子は案外多いものです。不登校の子は、朝が弱い、天気や気温に心身の状態が左右されやすいなどの特徴があります。

どうしても無理なら「仕方ない」と、割り切って次の方法を考えましょう。

常に次の対応策を準備しておこう

都立高校の場合、二次募集もありますし、通信制高校や専門学科などなら三次募集までするところもあります。また、私立の通信制高校なら、4月末ごろまで入学できるケースも。

さらに、秋入学をしたり1年様子を見て、次の年に受験をしてもよいのです。無理やり行かせて、途中で挫折しては元子もありません。焦ることなく状況を見極めることが大切です。

なかなか決まらないと心配だとは思いますが、今はさまざまな道がありますし、やり直しもいくらでもきくものです。

常に、「ダメだったときの次の対応策」を意識しておくことで、不安な状況は回避できるものです。

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