中学で不登校になった場合、成績とともに心配になるのが出席日数です。高校受験をする際に提出する内申書に関わるため、欠席日数が多いと受けられる高校の範囲が狭まるというデメリットがあります。
受験で必須の「内申点」で気になる出席日数
受験に内申点が必要になるという問題
中学不登校の場合は、出席日数が少ないと「内申点」がつかなくなってしまうため、受けられる高校が限られてしまいます。
個人的には不登校になるようなナイーブな子は、内申点を重視しない昼夜間定時制高校や通信制高校など、配慮のある学校に行ってほしいとは思います。
ただ、中には高校からは絶対頑張ると思って、どうしても全日制の高校に行きたいという人もいるでしょう。
その場合に気になるのが「出席日数」です。
東京都では「3年の2学期」の出席が内申書に記載される
東京都の場合、都立高校を受験する際には中3の1学期と2学期の出席日数が内申書に記載されるといいます。と、いうことは、3年の1学期と2学期だけがんばって行けばよい、ということになります。
少しでも学校に行けている場合の出席日数の稼ぎ方
保健室・教育相談室などの別室登校
そうは言っても今まで行けていなかったのに、突然毎日教室へ行く、というのもなかなかハードルの高いものです。
学校との相談になりますが、別室登校を認めてもらえる場合は、保健室や教育相談室で対応してもらえることがあります。
と、いうか、本当は対応するのが当たり前というふうにしてほしいとは思っています。(ちなみに、この件についても住んでいる自治体に毎度毎度お願いをしています。)
何はともあれ、人手不足など学校の抱えている問題もあるとは思いますが、まずは相談してみましょう。
場合によっては図書館やパソコン教室などでもOK
司書の先生がいるときやICT支援員などがいる場合、図書館やパソコン教室への登校で出席にしてもらえる場合もあります。
給食の時間だけ・先生に会うだけでOKなことも
友達と会うのは大丈夫という場合なら、給食だけ食べに行って出席にしてもらえるケースもあります。
また、担任の先生を始め学年主任の先生や管理職の先生に会いに行くことで出席にしてもらえることもあります。
うちの長男が中学不登校だったときは、担任の先生はもちろん、他のクラスの先生や他の学年の先生も対応してくれました。
先生と少し話したり、先生の時間があるときには勉強を見てもらったりすることで、出席にしてくれました。
長男の元気がないときは、校門を一歩入ったら「はい、出席!」としてくれることもありました。今思うと、やさしい中学だったなとしみじみ思います。。。
別室登校をしたいと思ったら
まずは学校と相談する
別室登校をしたいと思ったときには、別室登校に対応してくれるかどうか学校と相談する必要があります。中学の場合、校長先生の意向が大きく、悲しいことですが不登校に理解のある先生とない先生ではだいぶ対応が異なるのが現実です。
最近は、不登校の子のために教室を用意してくれる学校もありますが、反対に「人手が足りないから」とあっさり断られることもあります。
断る方が間違っていると思いますが、現実は現実なのでいかんともいがたいものがあります……。
担任の先生がだめなら学年主任・管理職へ相談
まずは担任の先生に相談するのが通常の流れかと思いますが、対応が人によって異なることも多いものです。
担任の先生がだめと言っても、学年主任や教頭先生・校長先生がOKを出すこともあります。断られるとヘコんでしまいがちですが、余力があれば別の先生に頼んでみるのも一つの方法です。
スクールカウンセラーを通して話を持っていく
スクールカウンセラーを通して、別室登校をお願いしてみるという方法もあります。
こちらもスクールカウンセラーの人柄や考え方によりますが、話してくれる場合は保護者から言われるより、専門家から言われると学校としても対応しないといけないかな、という雰囲気にはなるでしょう。
実際、私自身もスクールカウンセラーを通したら、一発で対応が変わったことがありました。試してみる価値はあるでしょう。
フリースクールやオンラインフリースクールで出席扱いに
フリースクールへの出席で出席扱いにしてもらう
学校に直接行かなくても、フリースクールに行っていれば、「出席」にしてもらえることも多くなりました。ただし、これも校長先生の判断になります。
つまり、校長先生が「出席として認めない」と言うと、認められない可能性もあるのです。(理不尽。。。)
ただ、文部科学省では、フリースクールへの出席をもって出席扱いにできるという通知も出しています。
その要件は、以下のもの。
・保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
・ITや郵送、FAXなどの通信方法を使った学習活動であること
・訪問等による対面指導が行われること
・生徒の理解度をふまえた計画的な学習プログラムであること
・校長が、対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること
・学校外の公的機関や民間施設等で相談・指導を受けられない場合に行う学習活動であること
・学習計画や内容が、その学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること
(すららネットよりhttps://surala.jp/type/truancy_interview01.html)
オンラインフリースクールで出席扱いにしてもらえることも
最近は、「すらら」などのオンラインフリースクールの学習で、出席扱いにできるケースも増えてきました。
上記の要件にも「ITや郵送、FAXなどの通信方法を使った学習活動であること」が入っています。
ただし、認知度が低いため、学校に理解してもらうのには多少の時間と労力がかかるかもしれません。でも、この通知を持って交渉すれば、出席にしてもらえる可能性が高まります。
出席日数を稼ぐ方法について解説しました。お子さんに無理のない範囲で、試せるものは試してみてはいかがでしょうか。