「ミモザの花~子どもの不登校を考える会」3月のお話会を行いました。
参加人数は少な目の4名、初参加の方が3名でした。スタッフ3名と合わせ、7名でゆったりとお話をしました。
今回は、発達障害に関するお悩みが多く聞かれました。
発達障害の特性は集団授業に合わないことがある
学校の環境に合わせづらい発達障害の症状
不登校の子の中には発達障害の子やグレーゾーンの子も多いといわれています。症状はひとそれぞれですが、学校の環境に合わない子が多いのも事実です。
発達障害の特性が学校に合わないいろいろな理由
読み書きが得意ではない、視覚・聴覚・嗅覚・触覚が敏感、不注意で忘れ物が多い、先生の指示がうまく理解できない、自分のペースを守りたいといった特性は、団体で一斉授業を行う今の学校のスタイルにはなかなか合わないものです。
発達障害の特性があることで、学校で困る場面とは
特性の度合いにもよりますが、発達障害の症状で学校では困ることはいくつかあります。
ASD : 自閉スペクトラム症
ASDとは
ASD(自閉スペクトラム症)は、知能指数に関わらず自閉症からの連続体の症状とされています。
「こだわりが強い」「対人関係が苦手」「感覚過敏」などの特性がありますが、症状の度合いは人によってさまざまです。
強いこだわりのせいでマイルールを邪魔されるとパニックになったり、先生や友達の話す内容がうまく理解できなかったりすることがあります。
また、感覚過敏も発達障害の子どもたちを苦しめます。
感覚過敏の困り感
学校生活を送る上で困るのが「感覚過敏」です。
教室内のざわざわした物音が耐えられない、また、教室に入ったときのにおいが気になる、机や椅子がしっくりこなくて落ち着かないなど、特性のない人には気にならないような刺激が、発達障害の子にはとても苦しく感じられます。
それも毎日、そして1日何時間もその刺激に耐えなければならないのは大きな苦痛といえるでしょう。
ADHD : 注意欠如・多動症
落ち着きがない、順番が待てない、考えがまとまらないといった症状が見られます。衝動性が強いケースでは、じっと座っているのが苦痛で授業中立ち歩く、友達とモメやすいといった行動が見られることもあります。
場合によっては治療薬を使って症状を抑えるケースもあります。
LD : 学習障害(限局性学習症)
知的な問題はないのに、読むのが苦手、書くのが苦手、計算するのが苦手といった症状が見られます。読み書きの両方が苦手というケースもよくあります。
読み書き中心の今の学校教育で、読み書きが苦手なのは困ったものです。また、算数だけが極端にできないことで、自信をなくしてしまう可能性もあるでしょう。
みんなと同じようにできない自分に気づき、自己肯定感が下がってしまうことも多く、困っている子どもたちがたくさんいます。
発達障害に関する行政サービス
特別支援学校・特別支援級・通級など
小さいうちにこういった特性に気づけると「療育」といって、集団生活にうまく適応できるような「学習」をしていくこともあります。
病院で行う場合もありますし、地域の教育センターで行う場合もあります。
また、小学校以上では、特別支援学校や特別支援級、あるいは通級などを利用することもあります。
不登校になると利用しづらい行政サービス
ただ、不登校になると、こういった行政サービスは利用しづらくなってしまいます。また、知能指数の問題でギリギリ支援が使えない、出席日数の問題で適応指導教室の対象にならないなど、「決まり事」のはざまに入ってしまい、どの支援も受けられないというケースがあります。
そうこうしているうちに時間がどんどんたってしまい、子どもは何の支援も受けられないまま中学進学や高校進学の時期を迎えてしまうのです。
行政サービスがうまくマッチしないとき
行政サービスが受けられない場合は民間サービスを利用
障がい者支援は本来行政がやるべきことだとは思いますが、ちょうど支援が受けられないというエアポケットに入ってしまったときには、今のところは、やはり民間サービスを利用するのが現実的だと思います。
子どもはあっという間に大きくなってしまう
と、いうのも、あまり学校や行政のやることにこだわりすぎると、結果的に子どもが困ってしまうからです。
学校や行政サービスがマッチしないなら、民間サービスを使う。それにも合う、合わないがあるので、だめなら早めに切り上げて別のサービスを利用する。。。
もちろん、子どもによってはサービスを利用しない方がマイペースに過ごせてよい、という場合もあるでしょう。
とにかく一番大切なのは、特性のある子どもが不利益を被ることなく成長していくことだと思うのです。
今の段階では行政サービスと民間サービスのいいところをうまく使うしかない
理想は理想・現実は現実
「学校や行政に期待しない」というのはある意味で間違ってはいますが、気持ちを切り替えて他の方法を利用した方がうまくいくことがあるのも現実です。
もちろん、不登校支援の活動をしている私自身は行政への働きかけを続けますが、一方で今の段階では、発達障害に関しては民間サービスをうまく活用するしかないとも思っています。
何よりも大切なのは、わが子の健やかな成長
不登校や発達障害は、言ってみればマイノリティです。マイノリティが理解されにくいのは、残念ですが厳然とした事実でもあります。
今の段階では、子どもに合ったサービスを探して見つけて活用する、というのが一番現実的としか言いようがないのです。。。
行政に対するこだわりや怒りなどが、健やかな子どもの成長をさまたげてはいけないと、個人的には思います。
わが家の場合 次男はASDとLDを併存していました
学校生活にストレスを感じるなら無理に行かなくてもよいと思う
ちなみにうちの次男は小学生のときASD+LDと診断され、いくつか困りごとにぶつかった経験があります。
発達障害があると、どうしても学校生活がストレスに感じるものです。
次男の小学校時代のことを思い出すと、正直途中で学校へ行かないという判断をしてよかったと思います。
子どもに適した環境を考えることが大切
特性がある場合は特に、「学校へ行きたくない」という子どもの気持ちをしっかり受け止めて、子どもにあった方法を探していくことが大切なのではないかと思うのです。