文部科学省の「COCOLOプラン」~誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策

教育の問題

2023年3月に出された不登校対策「COCOLOプラン」

不登校の子どもの学びを止めないために

文部科学省の「COCOLOプラン」をご存知でしょうか。

令和5年3月31日に永岡文部科学大臣の下、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)が取りまとめられました。

※「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)

https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf

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「COCOLOプラン」の素晴らしい内容

「COCOLOプラン」は、文部科学大臣のメッセージから始まります。

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「私は、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指します。そして、子供たちに、『大丈夫』と思っていただけるよう、徹底的に寄り添っていきます。」

1. 不登校の児童生徒の学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えます。

2. 心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援します。

3. 学校の風土の「見える化」を通して学校を「みんなが安心して学べる」場所にします。

※「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)より抜粋引用

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つながりのイメージ図も掲載されています。

「教育機会確保法」が出された時を思い出す

「教育機会確保法」とは

行政が主導してこういった取り組みをするのは、とてもよいことだと思います。内容も素晴らしいと思いました。

ここで、私は2017年に施行された「教育機会確保法」のことを思い出しました。

「教育機会確保法」の基本理念 その素晴らしい内容

「教育機会確保法」の基本理念は、下記のようにまとめられています。

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1  全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保

2  不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援

3  不登校児童生徒が安心して教育を受けられるよう、学校における環境の整備

4  義務教育の段階の普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を尊重しつつ、年齢又は国籍等にかかわりなく、能力に応じた教育機会を確保するとともに、自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、教育水準を維持向上

5  国、地方公共団体、民間団体等の密接な連携

※出典 : 別添1 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(概要)

別添1 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(概要):文部科学省

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学校現場に行き渡っていない「教育確保法」

そもそも「教育確保法」を知ってる教員は少ない

この素晴らしい教育機会確保法は、一斉に全国の小中学校に通知されました。

私たちのような不登校支援をしている界隈では、けっこう話題となり、大きな期待をもって迎えられたのです。

ところが、いざ、現実の不登校対応となると、教員はもちろん、管理職の校長先生でさえこの法律を知っている人がいないのです。

つまり学校には理解が行き渡っていない

上記の項目タイトルには遠慮がちに「知っている教員は少ない」と書きましたが、肌感覚としては「一人もいない」というのが正直な印象です。

私が知っている限り「学校に行けない子どもは、教育を受ける機会がない」というのが、法律施行から6年たった今の現実です。

文科省からの「通知」が多すぎて読んでいられない

2~3年前、自治体の不登校担当課長に「どうしてみんなこの法律を知らないんですか?」と、聞いてみたことがあります。

課長さんが言うには、文科省からの通知が多すぎて読み切れていない可能性があるとのことでした。

2020年以降はコロナ禍もあったので、なるほど、それが現実なのか、と思いました。

文科省「通知」の伝え方や人手・予算のこと

国はいいことを考えているのに

でも、心の中では、いやいや「なるほど」じゃないよ、とは思っています。

毎年不登校の子どもが増加し、困っている人がどんどん増えているのに、教育の専門家がこれを知らないってどういうことなんだ。少なくとも、校長先生は知っていてくれないと、と思います。

国はいいことをいろいろ考えているのに、現場に行き渡らないのでは絵に描いた餅になってしまいます。

国の方も、次々通知を出すだけではなく、現場への伝え方をもう少し考えるなり工夫するなりできないものかと思ってしまいます。

教育現場の人手不足の問題

もう一つ、根本的な問題は教育現場の「人手不足」です。キャパオーパーと言い換えてもいいかもしれません。

先生方の雑務が多すぎる、職場がブラックといった問題は、SNSの「♯教師のバトン」でもクローズアップされ、昨今部活のアウトソーシングなども話題になっています。

先生方が通知を読んで理解する余裕がない、というのもまた現実なのです。

通知を増やし、先生方の仕事を増やすなら、それなりに人やお金を確保する必要があるでしょう。「現場にまかせる」と「命令しっぱなし」とは意味が違います。

通知したことが現場でスムーズに回るよう、行政の側にも考えていただければありがたいです。

そうすることで、不登校で困っている人はきっと少なくなっていくはずです。「いい考え」を現実にするために、できることを続けないといけないと思うのです。

本当は心から期待している「COCOLOプラン」

行政や学校に文句を言いたいわけじゃない

私は単に行政や学校に文句を言いたいわけじゃありません。文句だけ言っていても状況が変わらないのは重々承知しています。

私は私で、自分ができること、たとえば「相談を受ける」「情報をお伝えする」「困っている人と支援者をつなぐ」といったことを続けます。 ただ、行政システムや学校の制度は私の力ではどうにもならないので、その立場の方たちにお願いするしかないのです。

国の「いい考え」を広めてほしい

「COCOLOプラン」も「教育機会確保法」も、素晴らしい内容の施策です。私は、4月に発足した子ども家庭庁にも期待しています。ぜひ、国の施策が広く理解されることを願っています。

すべてを完璧にすることはできないかもしれませんが、少しでも不登校に悩む人が減っていくことが必要です。自分のできることに取り組みながら、この素晴らしい施策を広く周知してもらうことを、行政や学校にも期待したいと思います。

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