Q. 学校に行かないのにスマホ・ゲーム・YouTubeばかりやっています。このまま依存症になるのではないかと心配です。
A. 依存症になることはまずありません。やるべきことが見つかれば自然と時間は減っていきます。
スマホ・ゲーム・YouTube三昧になるのは不登校あるある
親から見たら確かに嫌だ
学校へ行かなくなると、たいていの子がスマホ・ゲーム・YouTube三昧になります。不登校あるあるの中でも、もっともあるあるの状態です。
親としては、学校も行かない・勉強はしないでこのままダメ人間になってしまうのではないか、また依存症なのではないかと心配になってしまうもの。
この気持ちにはとっても共感します。
私自身も、長男が初めて不登校になった当初は、苦々しい思いでこの光景を眺めていました。
子どもがスマホ・ゲーム・YouTubeをやる理由
ただ、一度、子どもの視点になって、考えてみてください。
なぜかわからないけど、学校に行こうとするとお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする。行こうと思うけど、気持ちがどんよりしてどうしても動けない。
行かなきゃいけなけど、行けない。
何かしなきゃいけないけど、できない。気力が出なくて、とても勉強なんてできる状況じゃない。
体調も悪いし気持ちも落ち込んでいる。
とりあえず、スマホ。
とりあえず、ゲーム。
とりあえず、YouTube。
やることと言えば、このくらいしか思い浮かばないのです。
ネットの依存症になることはほとんどない
やることがないからやっているだけ
つまり、簡単に言うと、やることがないからやっているだけで、楽しくてやっているわけではないということがほとんどです。
スマホ・ゲーム・YouTubeを見ていれば、時間がたっていく、という程度で、子ども自身どうしていいのかわからない状態なのです。
やりたいことが出てきたら自然とやる時間が少なくなる
そんな状態でやっているので、時期が来ると必ず飽きるものです。怒ってスマホやゲームを取り上げたりすると隠れてやるようになり、かえって状況が長引いたりします。
スマホ・ゲーム・YouTube 悪いことばかりではない
心配なスマホ・ゲーム・YouTubeですが、案外いいところもあります。
たとえば以下のようなメリットが考えられます。
スマホのよさ
・友達とつながれる
・孤独感が減る
・いろいろな情報が得られる
ゲームのよさ
・チームゲームでチームワークが学べる
・英語を使ったゲームで自然と英語が身につく
・社会情勢をモチーフにしたゲームで世の中のことが学べる
・クリエイティブな作業をするゲームもある
・攻略するために研究する力が身につく
・自分で考えて進められる
YouTubeのよさ
・自分の好きなことを追求できる
・おもしろい学習動画がある
・YouTubeをきっかけに自分のやりたいことが見つかる
現実的に禁止するのは難しい
禁止しても子どものテクニックにはかなわない
制限時間を設けたり、端末機器を取り上げたりしても、子どもは大人が知らないようなさまざまなテクニックでオンラインにつながります。
正直、この辺りは専門家でない限り子どもにはかないません。
私も、長男が初めて不登校になったときにはこの攻防の繰り返しでずいぶん神経をすり減らしました。
そして、結論として「無理」と、わかりました 笑
禁止による親子の衝突は不毛な戦い
それから、ここで衝突を繰り返すことの不毛さに気づいたというのもあります。
「禁止」から得られるものはあまりないように思います。
私自身も中高生のころ、親に映画やコンサートに行くことを禁止されていましたが、うそをついたり、友達に協力してもらったりして、なんとか行っていました^^;
結局、そうなるんだ、とわが身を振りかえって深く反省した次第です。。。
結論 「好きなだけやらせていい」
ルールが作れる段階なら約束事を作ってもいい
子どもが素直に言うことを聞く年齢・普段から家庭でのルール作りが徹底している・子ども自身に自覚があるといった場合は、時間を決めるなどのルールを守らせてもよいと思います。
ただ、やる・やらないをめぐってモメるようなら、放っておいた方がいいでしょう。
怒ったり反発したりする中で、ものごとが解決するケースはまずありません。
親が思うより子どもはビクビクしている 子どもの気持ちを想像してみる
開き直っているように見える子どもも、実は内心「悪いことをしている」と思っていることが多いものです。
でも、ほかにすることがないからやっているだけ。
スマホなどを取り上げられたら、どこにも拠り所がなくなってしまうのです。
保護者の方が精神的につらい、と思うのと同じくらい、もしくはそれ以上子どもは苦しんでいると想像してみてください。
親とのバトルで精神力を消耗すると、子どもはますます元気がなくなり前向きな気持ちを持てなくなってしまいます。
前向きな気持ちが芽生えてくれば、自分のやるべきことが見えてきて、スマホ・ゲーム・YouTubeの時間は減っていきます。
あまり長時間だと体に悪いことだけ伝えて、あとは好きなようにさせておくのが結果的にはよい方向へ向かう近道です。
親が自分のやっていることに興味を持つと子どもは変わってくる
やっているゲームについて質問してみた
ここからは、私の経験です。
不登校になってから、長男はほとんど家族と口を利かなくなってしまいました。
終日自分の部屋にこもってゲーム三昧の日々。
ある日、いつものように、私は子ども部屋に入って黙々と長男の洗濯物を片付けたり、食べ終わったお菓子の袋をゴミ箱に入れたりしていました。
ふと、長男のやっているゲームを見てみると、画像がとてもきれいで動きもスムーズ。すごいきれいだなあ、と思い
「これは、どういうゲームなの?」と、質問してみました。
ゲームをきっかけにコミニケーションがとれるようになった
それまで口の重かった長男は、自分のやっているゲームについて、とても詳しく説明してくれました。
私はゲームに疎くて何もわからなかったので、たぶんすごく基本的なことから聞いたと思うのですが、長男は面倒がらずに丁寧にいろいろなことを教えてくれました。
それから、長男とゲームについて話をするようになり、それをきっかけに少しずつ家族のコミュニケーションが取れるようになっていきました。
「悪いことをやっている」という意識でゲームをやっていた長男ですが、私が興味を持ったことですごく嬉しくなったのだといいます。
また、今までは「親が教えてあげる」というパターンが多かったのに、「自分が親に教えてあげている」というのが新鮮でもあり、自信にもつながったのだと思います。
自分の興味があることに、親が興味を持つと、子どもの心持ちは大きく変わるということを、実感した経験でした。